「一番思い入れのある野良製品って何ですか?」
とたまに聞かれることがあるんですが、それはやっぱり野良ストーブということになろうかと思います。
最初に生み出したプロダクトというのもそうですし、一番時間がかかったのもこの野良ストーブだからですね。
リリースしたのが2017年で、もうじき10年が経とうとしていますが、今も変わらず使って頂けているのをインスタで見かけてはニヤけております。
他のどの製品よりも頑丈なものをと思って作りはしましたが、本当に頑丈かどうかはこうして年月を経ないとわからないことです。ですから、みなさんが酷使して真っ黒になった野良ストーブを今こうして見ているということが、私にとっては最高のご褒美なのです。
ご愛用誠にありがとうございます。
「ちょっと野良ストーブ気になってるんだよね」
という方におかれましても、もしよろしければ是非インスタかYoutubeで「野良ストーブ」と検索してみてください。イイ面構えになった歴戦の野良ストーブたちがそこにいるはずです。
というか、ひっそりとですが直営店では「レンタル」もやっておりますので、実際に使ってみたいという方はお気軽にスタッフまでご相談ください。そしてガンガンに燃やしまくってください。
野良ストーブは原型が完成してすぐ特許の申請をした(その後取得)ので、それもあるかもしれませんがこういう三角形の焚き火台ってあまり他では出ていません。
私が上部を絞った三角形状を採用したのは、「火力を集中させるため」と「内部空間を少なくするため」、そして「耐荷重」の主に3つです。
出口を絞れば自然と火の行き場がなくなって火力が向上するだろう、という安直な考えは当たっていて、まあ野良ストーブの火力の要因は他にもあるのですが御覧の通りの火力が出ています。
焚き火台の役割というのは、主には「保温」と「防風」の2つがあります。
金属の板が壁になり、風を防ぐとともにそれ自体が保温材の役割を果たし、より燃焼を安定させるわけです。
そうすると、焚き火台の金属板で囲まれた内部空間というのは、小さければ小さいほど保温には有利ということになります。
それは同時に燃焼剤になる薪が入る空間も小さくなるということですので、そこはバランスではありますが、野良ストーブは基本的にこの考えで設計をしています。
とまあ設計上の思想をつらつらと述べても使ってくださる方には何の面白みもないとは思うのですが、こうして振り返ってみると、今考えても結構な熱量と時間をかけて作ったんだなあと自分でも思うわけです。
なんでそんな情熱を燃やしていたのかというと、当時小さい焚き火台というモノ自体が無かったんですよね。あってもユニフレームさんのネイチャーストーブぐらいだった。
それで自作を始めてみたらこれが面白くて。
もちろん自分だけでは作れないので、溶接をやってる父の手を大いに借りながら。
少し形状を変えただけで燃え方が全く変わる焚き火台というのが面白すぎて、「これはもう行き着くところまで行きたいな」と思ったんですね。ひとつの究極の形、これ以上いじる箇所が無い完成形を目指したいなと。
もちろん万能な道具というのは存在しないので、あるジャンル、ある用途における究極ということにはなりますが。
無駄な箇所がひとつもないのはある意味当然として、設計者の腕の見せ所というのは「一つの構造に対して、いかに多くの機能を持たせられるか」だと私は思っていて。
たとえば野良ストーブのフレーム中心部の曲げ(ふくらみ)は、
・強度向上のため
・火炎の出口を広げるため
・下部から空気を流入させるため
という3つの機能(目的)を持っています。(ドヤ)
こういうのって今まであんまり語ってこなかったんですが(聞く人も退屈だろうと思ってたし)、でもユーザーさんにとってはこういう「知られざるディティール」って結構オモロイ情報なんだなってのを最近気付きました。考えてみれば自分もそういう話好きだもんな。
まあ何はともあれ、10年ほどやってこれたのは本当にみなさんのおかげです。
振り返ってみれば作るモノの傾向は徐々に変わってきてはいるけど、そこにかける情熱は変わってないことも確認できて自分でもホッとしています。